フリーランスエンジニアになると、パソコンの買い替えやAIツールの月額料金など、仕事のための出費を自分で管理することになります。
会社員のころは会社が払っていたものを、これからは自分で払い、確定申告で経費として計上します。
ただ、「35万円のMacBookは一度に経費にできるのか」「ChatGPTの月額料金は経費になるのか」など、エンジニアならではの迷いどころは意外と多いものです。
この記事では、フリーランスエンジニアがよく払う費目ごとに、経費になるかどうかの線引きと計上のしかたを整理します。
なお、この記事は2026年10月時点の法令・制度をもとにしています。
フリーランスエンジニアの経費の考え方
費目ごとの話に入る前に、すべての判断の土台になる考え方を押さえておきましょう。
ここを理解しておくと、この記事に載っていない支出でも自分で判断しやすくなります。
経費とは「売上を得るために必要な支出」のこと
経費(所得税法上の必要経費)とは、売上を得るために直接かかった費用や、事業を続けるためにかかった費用のことです。
フリーランスの所得税や住民税は、売上から経費を引いた「所得」に対してかかります。
たとえば、年間の売上が600万円で経費が80万円なら、所得は520万円です。
経費の計上漏れが20万円あれば、そのぶん所得が多く計算され、払わなくてよい税金まで払うことになります。
逆に、仕事と関係のない支出を経費に入れると、税務調査で否認されて追加の税金を払うことになります。
判断の土台は「その支出が仕事に必要だったと、記録をもとに第三者に説明できるか」です。
仕事とプライベートが混ざる支出は、さらに仕事の分をはっきり区分できるかどうかも問われます。
仕事とプライベートで兼用するものは「仕事で使った分だけ」
エンジニアの仕事道具は、パソコンやスマホ、自宅のネット回線など、プライベートと兼用になるものが多いのが特徴です。
兼用のものは、全額ではなく仕事で使った割合の分だけを経費にします。
この割合を計算して分けることを「家事按分(かじあんぶん)」といいます。
按分の決め方は、このあとの「自宅で働くときの家賃・電気代・ネット代の按分」でくわしく説明します。
国民年金・国民健康保険・所得税は経費にならない
独立1年目の人がよく間違えるのが、国民年金や国民健康保険の保険料を経費に入れてしまうことです。
これらは経費ではなく、確定申告で「社会保険料控除」として所得から差し引きます。
所得税や住民税も、自分の所得にかかる税金なので経費にはなりません。
一方で、事業にかかる個人事業税や、業務に使う部分の固定資産税は「租税公課」として経費にできます。
退職後の保険や年金の切り替えは、会社員を辞めてフリーランスになる手続き|退職前後のチェックリストで手順を整理しています。
パソコン・モニターなど機材の経費(10万円・20万円・40万円の線引き)
エンジニアにとって一番大きな出費になりやすいのが、パソコンをはじめとする機材です。
機材は、買った金額によって「その年に全額経費にできるか」「何年かに分けて経費にするか」が変わります。
まずは金額ごとの扱いを表で確認しておきましょう。
| 1台・1組あたりの金額 | 経費のしかた | 条件 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 使い始めた年に全額 | 誰でも使える |
| 10万円以上20万円未満 | 3年で均等に分ける(一括償却資産) | 誰でも選べる |
| 10万円以上40万円未満 | 使い始めた年に全額(少額減価償却資産の特例) | 一定の要件を満たす青色申告者・年300万円まで |
| それ以上 | 耐用年数で分ける(減価償却) | パソコンは4年 |
10万円未満の機材は使い始めた年に全額経費にできる
1台(1組)あたり10万円未満のものは、仕事で使い始めた年に全額を「消耗品費」として経費にできます。
金額は、免税事業者なら消費税込みの金額で判定します(課税事業者で税抜経理をしている場合は税抜の金額)。
外付けモニター、キーボード、マウス、Webカメラ、検証用の中古スマホなどは、多くがこの範囲に収まります。
10万円未満かどうかは、通常1単位として取引される単位(1台・1組など)ごとに判断します。
モニター2台を同時に買って合計が10万円を超えても、1台ずつ売られているものなら1台ごとの金額で判断します。
反対に、デスクと椅子のセットのように通常1組で取引されるものは、1組の合計金額で判断します。
年末に買っても、年内に使い始めていなければその年の経費にはならない点にも注意が必要です。
10万円以上のパソコンは減価償却で何年かに分ける
10万円以上のパソコンは、一度に経費にせず、減価償却という方法で何年かに分けて経費にします。
パソコンの法定耐用年数は4年なので、たとえば45万円のパソコンなら、青色申告でも白色申告でも、おおむね4年に分けて経費にしていくイメージです。
40万円未満なら、青色申告の人は次に説明する特例で一度に経費にできます。
年の途中で買った場合は、その年は使った月数の分だけを経費にします。
10万円以上20万円未満なら、耐用年数に関係なく3年で均等に経費にする「一括償却資産」という方法も選べます。
仕事とプライベートの兼用なら、減価償却した金額のうち仕事で使った割合だけが経費になります。
青色申告なら40万円未満を一度に経費にできる
一定の要件を満たす青色申告者は、「少額減価償却資産の特例」を使うと、10万円以上40万円未満の機材を仕事で使い始めた年に全額経費にできます(一括償却資産を選んだものは対象外)。
この上限は令和8年度の税制改正で引き上げられたもので、2026年4月1日以後に買ったものから40万円未満が対象です(それより前に買ったものは30万円未満)。
メモリを積んだMacBook Proのような開発マシンでも、40万円未満であれば対象になります。
ただし、この特例で経費にできるのは1年間の合計で300万円までで、特例そのものは2029年3月31日までに買ったものが対象です。
白色申告の人は使えないので、高い機材を買う予定がある人ほど青色申告にしておく意味があります。
青色申告の始め方はフリーランスの青色申告・確定申告|1年目のやり方と白色との違いで解説しています。
椅子・デスク・ソフトウェアの扱い
長時間座るための椅子や、作業用のデスクも、仕事で使うものなら経費にできます。
家具は10万円以上だと「器具備品」として減価償却し、耐用年数は金属製でないデスクや椅子なら8年(主に金属製なら15年)です。
買い切りの開発ツールや業務用ソフトも、10万円以上なら5年で減価償却します。
一方で、月額で契約するサブスクリプション型のソフトは、原則として利用した月の経費にします。
年額で前払いして翌年の利用分が含まれる場合は、原則として利用期間に合わせて経費にします(支払日から1年以内に受けるサービスの前払いを毎年同じ方法で処理しているなら、払った年の経費にできる扱いもあります)。
ここがポイント
- 機材は1台(1組)あたりの金額で扱いが変わる(10万円未満なら使い始めた年に全額経費)
- 10万円以上のパソコンは耐用年数4年で減価償却するのが基本
- 青色申告なら40万円未満を一度に経費にできる(2026年4月以後に買ったもの・年300万円まで)
- 兼用のパソコンは、仕事で使った割合の分だけを経費にする
AIツール・クラウド・ドメインなど月額サービスの経費
エンジニアの経費で年々増えているのが、AIツールやクラウドサービスなどの月額料金です。
1件あたりは少額でも、いくつも契約していると、1年分ではまとまった金額になります。
ChatGPTやGitHub Copilotなどの月額料金
ChatGPT、Claude、GitHub CopilotなどのAIツールを開発や調査に使っているなら、月額料金は経費にできます。
勘定科目は「通信費」や「支払手数料」などを使う人が多く、毎年同じ科目で計上していれば問題ありません。
プライベートの調べものにも使っているなら、仕事で使う割合を決めて按分するのが筋です。
仕事でしか使わないアカウントを分けておくと、按分の説明がいらなくなり管理が楽になります。
AWS・サーバー・ドメインの利用料
案件の検証環境やポートフォリオサイトのために払うAWSやGoogle Cloudの利用料、レンタルサーバー代、ドメイン代も経費になります。
個人の技術ブログやポートフォリオでも、営業や実績づくりのために運用しているなら仕事に関係する支出です。
反対に、家族の写真を保存するためのクラウドストレージなど、仕事と関係のない契約は経費にできません。
海外のサービスに外貨で払ったとき
AWSやAIツールのように、ドル建てで請求される海外サービスも少なくありません。
外貨建ての経費は、原則として取引日の為替レート(電信売買相場の仲値)で円に換算します。
毎年同じ方法を続けることを条件に、経費は取引日の電信売相場や、前月末の相場などを使うこともできます。
大事なのは、換算の方法を一つに決めて続けることと、請求書やカード明細をあとから確認できる状態にしておくことです。
仕事と関係のないサブスクは経費にならない
動画配信サービスや音楽配信サービスは、仕事と関係なければ経費にはなりません。
「作業中にBGMを流しているから」という理由だけで経費にするのは、説明として弱いと考えておきましょう。
毎月の固定費は、仕事用とプライベート用でクレジットカードを分けておくと、明細がそのまま帳簿の材料になります。
事業用カードの選び方はフリーランスのクレジットカード|審査・選び方・独立前に作るべき理由で紹介しています。
自宅で働くときの家賃・電気代・ネット代の按分
リモート案件が中心のフリーランスエンジニアなら、自宅の家賃や光熱費の一部も経費にできます。
ただし、自宅は生活の場でもあるので、全額ではなく仕事で使った部分だけを経費にします。
按分できるのは「仕事の分を明らかに区分できる」とき
生活と仕事が混ざった支出は、仕事に必要な部分を明らかに区分できる場合に、その部分だけを経費にできます。
つまり、割合の根拠を説明できることが、按分の前提になります。
「だいたい半分くらい仕事で使っている」という感覚ではなく、面積や時間など数字で示せる基準を選びましょう。
| 費目 | 割合の決め方の例 | 説明しやすくするコツ |
|---|---|---|
| 家賃 | 仕事部屋の面積 ÷ 部屋全体の面積 | 作業専用の部屋やスペースを決めておく |
| 電気代 | 仕事をしている時間 ÷ 家で過ごす時間 | PCやモニターを仕事で使う時間で考える |
| ネット回線 | 仕事で使う時間や日数の割合 | リモート案件なら仕事の割合が高くなりやすい |
| スマホ代 | 仕事の通話・利用の割合 | 仕事用の番号や端末を分けると按分がいらない |
家賃は面積、電気代は時間で割合を決める
たとえば、40平方メートルの部屋のうち、10平方メートルの部屋を作業部屋として使っているなら、家賃の25%を経費にするのが一つの目安です。
ワンルームで作業スペースを区切れない場合は、仕事をしている時間の割合を使う考え方もあります。
電気代は、1日のうちPCやモニターを仕事で使っている時間をもとに割合を出すと説明しやすくなります。
水道代やガス代は、仕事との関係を説明しにくいので、無理に経費に入れないほうが安全です。
ネット回線とスマホ代の考え方
リモート案件では、自宅のネット回線が仕事に欠かせない設備になります。
平日の日中はほぼ仕事で使っているなら、仕事で使う時間や日数をもとに、プライベートより高い割合にしても説明がつきます。
スマホは、仕事の電話やチャットに使っている割合で按分します。
仕事用のスマホや番号を別に持てば、その料金は全額を経費にできます。
決めた割合とその根拠を残しておく
按分の割合を決めたら、計算の根拠をメモやスプレッドシートに残しておきましょう。
間取り図に作業部屋の面積を書き込んだもの、1日の作業時間の記録などがあれば、あとから説明を求められても困りません。
一度決めた割合は、働き方が変わらない限り毎年そろえておくと、帳簿の一貫性も保てます。
ここに注意
- 自宅の家賃や電気代を全額経費にすると、否認される可能性が高い
- 持ち家の場合、住宅ローンの返済額そのものは経費にならない(建物の減価償却費や利息の一部などを按分する)
- 按分の根拠(面積・時間)は記録として残しておく
- 迷ったら割合は控えめにしておくほうが安全
技術書・勉強会・作業場所の費用
技術の移り変わりが速いエンジニアにとって、学びへの出費は仕事を続けるための投資です。
仕事のスキルにつながるものなら、多くは経費として計上できます。
技術書・オンライン講座・資格試験
技術書や技術系の雑誌、電子書籍は「新聞図書費」として経費にできます。
Udemyなどのオンライン講座や、有料の技術セミナーの受講料は「研修費」として計上するのが一般的です。
AWS認定などの資格試験の受験料も、今の仕事に直接必要だと説明できるなら経費にできます。
ただし、仕事と関係のない趣味の本や習いごとは経費になりません。
独立後にどんなスキルを伸ばすべきかは、フリーランスエンジニアに必要なスキル|技術力だけでは足りない理由で整理しています。
勉強会・カンファレンスと懇親会
技術カンファレンスの参加費や、会場までの交通費、遠方なら宿泊費も経費にできます。
勉強会のあとの懇親会も、案件の紹介や情報交換など仕事につながる目的なら「接待交際費」や「会議費」として計上できます。
飲食を伴う支出は、あとから見ると仕事かプライベートかが分かりにくいので、日付・相手・目的をメモしておきましょう。
コワーキングスペース・カフェで作業した費用
コワーキングスペースの月額料金やドロップイン料金は「地代家賃」や「賃借料」として経費になります。
カフェで作業したときのドリンク代も、作業場所の利用料として経費にできる場合があります。
ただし、友人と会うためや休憩のためのカフェ代は経費になりません。
レシートの裏や会計ソフトのメモに「〇〇案件の作業」と書いておくと、あとで迷わずに済みます。
ここがポイント
- 技術書・オンライン講座・資格の受験料は、仕事に関係するなら経費にできる
- カンファレンスの参加費・交通費・宿泊費も経費の対象
- 飲食を伴う支出は、日付・相手・目的を記録しておく
- 作業目的のコワーキングやカフェ代は経費にできるが、私用は対象外
フリーランスエンジニアの経費で迷いやすいこと
ここでは、エンジニアから特によく挙がる「これは経費になるのか」という迷いどころを整理します。
共通する考え方は、仕事専用かどうか、仕事との関係を説明できるかどうかです。
服・メガネ・ジムの費用は経費になるのか
普段着として着られる服や、日常生活でも使うメガネは、仕事中に使っていても原則として経費にはなりません。
体調管理のためのジムやマッサージの費用も、生活のための支出とみなされるのが一般的です。
撮影や登壇のためだけに用意した衣装など、仕事でしか使わないものに限って経費にできる余地があると考えておきましょう。
家族に払ったお金は経費になるのか
生計を一にする(同じ財布で暮らす)配偶者や親に、手伝ってもらった謝礼や家賃を払っても、原則として経費にはなりません。
家族に経理などを手伝ってもらい給与を払う場合は、青色申告の「青色事業専従者給与」の届出を出したうえで、届け出た範囲内で、仕事の内容に見合った金額を経費にします。
届出の期限は経費にしたい年の3月15日までで、1月16日以後に開業した場合などは開業から2か月以内です。
白色申告の場合は、給与ではなく「事業専従者控除」という一定額の控除を受ける仕組みです。
どちらも、15歳以上の家族が、原則として年6か月を超えてその仕事に専ら従事していることが条件です。
打ち合わせの飲食代はどこまで経費になるのか
クライアントや、案件を紹介してくれる知人との打ち合わせを兼ねた食事代は、「接待交際費」や「会議費」として経費にできます。
経費にできるのは、仕事に直接必要だったと明らかにできる部分だけです。
仕事との関係を説明できない飲食は、金額にかかわらず経費にはなりません。
一人での昼食は、作業の合間であっても生活費とみなされるので経費にはできません。
独立前に買ったパソコンは経費にできるのか
会社員のころに買ったパソコンを、独立後に仕事で使い始めることもあるでしょう。
この場合は、買った年に経費にするのではなく、仕事で使い始めたときからの残りの価値を減価償却で経費にしていく考え方になります。
計算が少し複雑になるので、会計ソフトの案内に沿って入力するか、税理士や税務署に確認すると安心です。
なお、開業の準備のために特別に払った費用(開業前の打ち合わせの交通費や名刺の制作費など)は「開業費」としてまとめ、経費にする年や金額を自分で選べます。
ただし、パソコンなどの資産の購入費や、開業後に使うサービスの前払い分は開業費に含めず、それぞれの方法で経費にします。
独立前にそろえておく準備は、会社員からフリーランスになる6つのステップでまとめています。
ここがポイント
- 普段着・メガネ・ジムなど生活でも使うものは、原則として経費にならない
- 家族への支払いは、青色事業専従者給与などの届出の仕組みを使う
- 飲食代は、仕事との関係を説明できる分だけが経費になる
- 独立前に買った機材は、使い始めてからの分を減価償却する
領収書の保存と、税務調査で否認されないために
経費にできる支出がわかっても、証拠が残っていなければ、あとから経費として説明できません。
最後に、領収書や請求書の残し方を確認しておきましょう。
領収書・請求書の保存期間
帳簿や領収書には、法律で決められた保存期間があります。
青色申告の場合、帳簿と決算関係の書類は7年、領収書や預金通帳は原則7年(前々年分の事業所得と不動産所得の金額が300万円以下なら5年)、請求書や見積書などは5年の保存が必要です。
ただし、消費税の課税事業者が仕入税額控除のために保存する請求書や、自分が発行したインボイスの控えは7年の保存が必要です。
白色申告の場合も、帳簿は7年、領収書や請求書などは5年の保存が必要です。
迷ったら「7年は捨てない」と決めておくと安全です。
メールやWebでもらった領収書はデータのまま保存する
AWSやAIツールの請求書のように、メールやWebの管理画面で受け取った領収書は「電子取引」にあたります。
電子取引の領収書は、紙に印刷して保存するのではなく、電子データのまま保存するのが原則です。
会計ソフトを使わない場合でも、ファイル名に日付・金額・取引先を同じ順で入れてフォルダに保存し、税務署から求められたらデータを提出できるようにしておけば対応できます。
会計ソフトの証憑保存の機能を使えば、受け取ったPDFをそのまま取り込めるので手間がかかりません。
ここに注意
- メールやWebで受け取った領収書のPDFは、印刷して捨てずにデータで保存する
- 青色申告の帳簿と領収書は原則7年保存(白色申告でも帳簿は7年)
- 否認されると、不足分の税金に加えて過少申告加算税や延滞税がかかることがある
インボイス登録をしたら経費の請求書も確認する
取引先の求めでインボイス(適格請求書発行事業者)に登録すると、消費税の申告が必要になります。
原則の計算方法では、経費として払った消費税を差し引くために、相手から受け取ったインボイスの保存が必要です。
インボイス登録をきっかけに免税事業者から課税事業者になった人は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下などの要件を満たせば、令和8年分は「2割特例」、令和9年分と令和10年分は「3割特例」を使えます。
これらの特例は売上の消費税の一定割合を納める計算なので、消費税の計算のために経費のインボイスを集める必要はありません。
ただし、所得税の経費の根拠としての領収書や電子データは、これまでどおり保存が必要です。
原則の計算方法を使う場合、インボイスを発行しない免税事業者への支払いは、令和8年10月から令和10年9月までは消費税の70%だけを差し引ける経過措置になっています。
海外のクラウドサービスの消費税は国内の取引とは扱いが異なる場合があるので、原則の計算方法を使うときは会計ソフトや税理士に確認しましょう。
登録するかどうかの判断は、フリーランスの青色申告・確定申告|1年目のやり方と白色との違いのインボイスの章で整理しています。
迷ったら税務署や税理士に聞く
この記事の考え方で判断がつかない支出は、自分だけで決めずに専門家に聞くのが一番確実です。
税務署の電話相談は無料で、一般的な考え方であれば教えてもらえます。
1年目の確定申告だけ税理士にスポットで見てもらい、経費の感覚をつかむのも一つの方法です。
まとめ
フリーランスエンジニアの経費は、「仕事に必要だったと記録をもとに説明できるか」を土台に、兼用の支出は仕事の分をはっきり区分できるかで判断します。
パソコンなどの機材は金額で扱いが変わり、10万円未満なら使い始めた年に全額、一定の要件を満たす青色申告者なら40万円未満(2026年4月以後に買ったもの)まで一度に経費にできます。
AIツールやクラウド、技術書、勉強会など、エンジニアならではの出費も、仕事に関係するなら経費にできます。
自宅の家賃や電気代、兼用のパソコンやスマホは、仕事で使った割合だけを根拠つきで按分しましょう。
領収書は7年を目安に保存し、メールで届いたものはデータのまま残しておけば、確定申告で慌てずに済みます。
確定申告の流れや青色申告の始め方は、フリーランスの青色申告・確定申告|1年目のやり方と白色との違いもあわせて確認してみてください。